2017/04/07

1ハウスについて


1室のはじまり、つまりアセンダント(以下Asc)は個人が生まれた瞬間に決まります。
生まれてきた赤ちゃんは、お母さんの身体から外に出た瞬間、東の地平線から流れてくる空気を大きく吸い込みます。それがこの世における「初めての体験」です。

1室の意味は、一般的に「自己像」「個性」「行動の癖」などと言われています。いずれも「自分自身」を基点とする考え方です。
その概念は、個人が母体から出てくることに関連しているように思います。安心して暮らしていた母体の中から頑張って出てくる、つまり誕生すること自体が「自己を主張すること」そのものという考え方です。
ですからAscという、生まれた瞬間に与えられる感受点は、「どのように自分自身をこの世の中に押し出していくか」という観点でも見ることができるのです。


AscがMC(父親・仕事)-IC(母親・家庭)軸とそれぞれスクエアを取っており、両親からの影響力を断ち切って自己を確立するということ。
また、オポジションの位置にあるディセンダント(以下Dec)――対人関係の調整によって自己を磨き、主張し、模索するということ。
Ascについてこのようによく教科書に書いてあるのは、誕生した瞬間からはじまる自己の主張が、両親や家庭、仕事、対人関係がもたらす抑圧と葛藤によって、「自分が何者であるのか」という人生の命題につながっていくからだと思います。



さて、1室を見る際は、まず下記の6点をチェックします。

  1. サイン
  2. Ascの度数
  3. 在室天体とそのアスペクト
  4. Ascにアスペクトする天体
  5. Ascの支配星がどのハウスに在するか
  6. Ascの支配星とそのアスペクト

Ascの支配星は、生まれた瞬間に与えられた資質をどのように押し出していくのか、またどのような方向性を持って発展していくのかという点で重要です。


1926/04/21 2:40 ロンドン
イギリスのエリザベス女王陛下(エリザベス2世)の出生図です。

Ascは山羊座22度。このあたりは山羊座の社会活動が最も活発になる強い位置ですが、地に足をつけ、一歩引いて、共同体や伝統を長期的視点で考慮しつつ仕事をしていく度数となります。

支配星の土星(逆行)が社会的な位置・職業を表す蠍座10室(9室の要素も同時に持っていると言えます)に在室しています。

1室(Asc)の支配星が10室に在する場合、忍耐力や自制心が働きやすいです。ブレーキが効きやすい分、個性を閉じ込め、集団から逸脱してしまうことを恐れます。

また、役割や義務を課せられる傾向もあり、求められようと求められまいと、義務を果たさざるを得ない葛藤も示します。

加えて、Ascの支配星、蠍座土星(逆行)を頂点とした水瓶座木星-火星、獅子座海王星とでTスクエアを形成しています。
Ascの支配星のアスペクトがハードなものである場合、自己を形成する過程での「抑圧」を示します。
女王陛下の場合、お立場を受け入れるまでの過程、受け入れてからの過程は五里霧中といったようなニュアンスの葛藤の連続であったのではないかと推察されますが、ひとつひとつ積み重ねていかれた上で今の女王陛下がおありなのだと思います。

また、1室内の天体について、ノエル・ティル氏の心理占星術では「強い自己像を形成するための試練を表している」と定義づけられています。

女王陛下の場合、水瓶座火星-木星のコンジャンクションと魚座金星。リーダーシップを発揮しつつ協調性を養わなければならないことを示唆しています。実際、この配置は意欲的で挑戦的、勇気が全面に出たキャラクターになりやすいです。
魚座金星はいつまでも気持ちも容貌も若いままであることを示していますし、Asc-Dec軸で重なるノード軸は、人生の中で大勢の人と出会い、大勢の人が通り過ぎていくことを表します。



1974/11/11 02:47 ロサンゼルス
俳優、レオナルド・ディカプリオの出生図です。

Ascは天秤座4度。このあたりは天秤座特有の生き方、つまり他人の中でどのように個性を打ち出し、どのような人達と交流していくかあれこれ試行錯誤する位置です。その結果、親密で深い人間関係に支えられて運命を切り拓いていく度数です。

支配星の金星が金銭・価値観等を表す蠍座2室に在室しています。

1室(Asc)の支配星が2室に在する場合、流行を作り出したり社交したりすることに関心が向く傾向となります。自分の好むものを豊かに所有し周りに置いておきたがる、物質主義的とも言える傾向です。

エコロジストとしても知られるディカプリオですが、高級葉巻をくゆらせながら周りにモデルをはべらせ、高級車やプライベートジェットでパーティー三昧…といったゴージャスな面もあるそうです。
私達のような一般人で(笑)この配置を持つ場合、2室的(牡牛座)なこと――五感を使うようなこと(例えば料理をする、何か作品を創るなど)にこだわり、継続することで自分という人間が何者であるのか分かってきやすいです。

Ascの支配星、2室金星は蠍座で太陽とコンジャンクション、10室蟹座土星とトラインです。これはAscで打ち出した自己主張が周りに認知されやすく、キャリアにつながりやすい傾向を意味します。

しかし1室に在室する天秤座月-冥王星が蟹座土星を頂点としてキロンとTスクエアを形成しています。
深い感覚を持ち合わせ、有無を言わせないような押しの強さを持つ強引とも言えるキャラクターであり、同時に大変な努力家でもあります。ここが大スターのゆえんなのでしょう。

1室の月は周りの思惑や感情を受容するため、周りが変わればその都度行動や言動が変わっていきやすい面を持ちますが、親しみをもたれやすく人気者になりやすいですし、
1室の冥王星は他人の言葉に耳を貸さないこだわりの激しさ、自分の周りの環境を支配しようとする強硬な姿勢を表しますが、得てしてカリスマティックなのです。



1室のナチュラルハウスは牡羊座です。牡羊座は物質でなく「精神」を指します。支配星の火星が出生図内で使われていないと、どうしても受け身になりやすくなります。
「自分とは何者なのか」「どのようにこの世に自分を押し出していくのか」と考えるとき、Ascや1室だけでなく、出生図内のn火星のコンディションも重要になります。

加えて、「1室=牡羊座=精神」であるがゆえ、tやp、SAの天体がAscに到達したときは大変重要な「精神的な節目」となります。このあたりのことは他の記事でいつか書きたいと思っています。

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